血栓性血小板減少性紫斑病という病名でした

だいぶん病状が回復してきたので、検索にひっかかるようにはてなに書くことにしました。

病気としては、医師の話をまとめると
・初期症状
 …打撲痕のような紫斑ができる、貧血、頭痛
・発症理由
 …不明、妊娠を契機に発症事例有(日本国内で10例程度/20年)

私の場合は妊娠を契機に発症した可能性が高いとのこと。
12/19に意識不明で救急搬送されたのですが、初期症状は2ヶ月前の10月くらいからあって、
ぶつけた記憶が無いのに打ち身があったり、頭痛がひどくて食欲減退したりしてました。
打ち身に関しては、普段から自分の身体の距離感がつかめない人なので、どこかにぶつけた?という感じでした。
ただ、頭痛がひどかったので、肩こり原因?と思ってマッサージにいったら、揉まれた箇所がすごい打ち身で、
マッサージ強すぎ?という疑問を持った程度だったんですが、明らかにおかしいと思うべきだったと反省。
頭痛やそれに伴う吐き気は、つわりの場合もあり得ることだけど妊娠中期になっていたので、
やっぱり長引くのは不安だし産婦人科、内科、脳外科に倒れる前日まで行脚してました。
倒れる前日の脳外科でのMRIでも異常なしの診断を受けて安心したものです。

12/19の朝に意識不明で家族が救急車を呼んでくれたのですが、平日でなくてよかったと心から思います。
たまたま土曜日で予定されてた休日出勤がつぶれて、たまたま家族と一緒にいる時間だったから。
一人だったら、子供と二人だけだったら…こんな日記すら、書けてなかったかもしれない。
というか、通勤途中の畦道で倒れてたら発見すらされてないだろうな。
かかりつけの産院からは受け入れ不可能と言われ、帝王切開予約をした総合病院へ搬送されるも、
血液検査で血中酸素が皆無に近い状況とのことで、血液内科設備が整った別の病院へ再搬送されました。

搬送された記憶はさっぱりなくて、金曜日の晩に寝て起きたらなぜか病院で日曜日。
血液検査や髄液検査を行って病名が判明し、海外論文等から稀に妊娠中期に、
血栓性血小板減少性紫斑病(以下TTP)を発症する妊婦がいると言うことを言われました。
後に医師から聞いた話によると日本国内では後天性の場合、20年間に10例程度の報告しかないらしい。
実際には、それ以上の発症数もあると推測されるけれど、なかなか判明することは少ないとのこと。
というのも、TTPと診断するためにはADAMTS13という酵素の値を調べる必要があるんだけど、
それを調べることができる病院が関西では2つくらいしかないとのこと。
調べることができる病院に搬送されたのも幸運だったんだろうな。
TTP詳細→http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/026.htm
出産後(妊娠中断後)に病状が回復する事例もあるため、血小交換やステロイド投与治療で改善しない場合、
赤ちゃんが小さくても、出産を選択し、私の命を優先させると言われる。
その時は24週で、緊急に出産しても育ってくれるか分からない週数と言われた。
母親としてその選択はしたくないと思うし、かといって上の子を残して死を選択もできないわけで、
病気の説明を受ければ受けるほど、不安と、自分自身への『なんで』という気持ちでいっぱいになりました。
赤ちゃんを異物と思って体内の免疫が過剰反応して、赤血球やADAMTS13という物質を破壊し、
その結果、血小板が減少していくらしい。
授かった命の何が異物なんだろう。

血小交換を三回行い、搬送時4000(生きてるのが不思議な値)だった血小板値も徐々に増え、
10万までになった。
けれど、値が低いと赤血球や血小板の減少につながると言われるADAMTS13は、
入院時に3%(通常は50%くらい)しかなかったものが、交換後一時的に40%まで回復したものの、
血小交換を実施しないと、30%→20%と日々減少して維持できない。
保険適用範囲内は週三回までと定められているらしく、交換しないことが不安になる。
翌週、追加で実施した三回でようやく値の維持ができたみたいで、少し安心する。

年末の12/31に血小交換打ち止めで周産期母子医療センターICUに車椅子で部屋移動したんですが、
エレベーター内で血圧が下がり目眩。10日間寝たままってすごく体力落ちるんだなあと、思う。

後々聞いた話によると、
私が病院に運ばれたとき、家族は『このまま意識が戻らないことを覚悟してください』と言われたらしい。
生きていること、まだ赤ちゃんがお腹の中で心臓を動かして、頑張ってくれていることに感謝しながら、
年を越すことができたのは、本当に幸運だったんだなと今だから思える。
家族も、同僚にも、私の活動を引き続き継続してくれるコミュニティの仲間にも
…みんなに、ありがとうと感謝。

年越し後も一喜一憂。01/05血液検査の結果が悪化していると聞く。
採血結果次第で、再度血小交換するかも知れないと聞く。
赤ちゃんチェックではすごく元気に胎動も感じだしたのに、何でだろう?って思う。
血の値とか目に見えるものなら良いのにとか思う。

海外事例など聞くと、妊娠29〜32週で、母胎内で赤ちゃんが亡くなっている事例が多いらしい。
早産させることで、お腹の中の人が乗り越えるハードルがTTPの影響も加えて増えるけど、
ハードルは増えても乗り越えてくれると信じる。
というか、このままだとお腹の中で死ぬかもしれないけどどうする?という選択肢に、
いや、まだ正産月まで様子みたいですとか答えれるわけはないでしょう。

出産の際には私の血液がとまりにくい状況なので、麻酔は全身麻酔。
出血が増える要因として、
・早産の場合子宮が伸びてないので出血増
・TTPの影響で出血増
・血栓予防のためのバイアスピリンを手術前日まで飲み続けるために出血増
・二回目の帝王切開で癒着箇所からの出血増
・前置胎盤胎盤を剥がす際に出血増
とのこと。
故に、通常の帝王切開になる妊娠より多くなるし、止まらない可能性も高くなる。
最悪の事態は覚悟する必要はあるけど、最初に死ぬかも危ないと言われてたのを、
ここまで良い事態にしてくれた先生達を信じて、帝王切開まで過ごす覚悟を決める。
で、通常の帝王切開のように局部麻酔だと、麻酔部分の出血が神経を圧迫して下半身マヒのリスクを伴うらしい。
産声は聞けなくても、生きて出産できるなら、後でいっぱい聞くから、頑張ると心に決めました。

そして、帝王切開当日、通常より出血は多かった(通常800cc→今回2100cc)ものの、
無事、1190gの小さな命を授かることができました。

現在、妊娠継続が終了し病気も改善の方向に進み、何より赤ちゃんにTTPが引き継がれていないという、
採血結果を聞いて、まだ、貧血が改善されていないので入院中ですが、すごく前向きな気持ちです。

長々とこのエントリーを書いたのは、医師から論文で上がっている国内事例はほんのわずかだけど、
TTPと気付かない母胎内で赤ちゃんが亡くなっている場合もあるんではないか?と聞いたからです。

妊娠中の貧血や頭痛。普通にあることです。
私もつわりや妊娠による貧血だと思ってました。産院でも鉄剤処方されてました。
打ち身、どこかにぶつけた程度だと放置してました。

本当に幸運な積み重ねで、TTPの診断を受けることができた私は、心の底からラッキーだと思います。

こういった内容を表立った場所に書くことにいろいろな意見はあるかと思います。
でも、もし、妊娠中に見覚えのない打ち身があった場合、つわりが終わったのに、頭痛がひどい場合、
鉄剤を飲んでいるにもかかわらず、貧血が改善されない場合…もしかして?ということを考えて欲しいのです。

※TTPの症状に関する記述はあくまで医師から聞いた内容を書きひかえたものをまとめたものであり、
正式な症状ではないかもしれませんのでご注意下さい。


今後、コミュニティ活動への復帰は、NICU通いが一段落するであろう年度あけ以降になるかと思います。
今までどおり、自分ペースで、赤ちゃんペースで、ゆっくり続けていく予定です。


今後もよろしくお願いしますm(_ _)m