「おかーちゃんの勝手にネットパトロール」は「インターネットの『みどりのおばさん』」だと思う #パトロール #safewebkids
子供とネットを考える会で行った"おかーちゃんの勝手にネットパトロール"への賛否が両論のようなので、改めて考えてみた。
で、考えている間に、講演を行った id:ohesotori が"2015-08-03 - ここはちょっと見せられない"というエントリーをあげていたので、そちらにも併せて触れておこうと思う。
スライドを見ている人は、当人のはてなエントリー↑も併せて読んでおくとよいと思うよ。
「おかーちゃんの勝手にネットパトロール」を世の中はどう見ているか?
観測範囲内で見た限りでは、先に書いたとおり、意見は二分されていると思う。
- 子供の見守り方の参考になった
- ストーカーっぽくてきもい
ぶこめを見る限り、後者のほうが多そうだけど、そういう意見の人こそ、もっと伝えたい意見を明確に書いて欲しいと思う(この件については最後のほうに別途記述)。
この2つの考え方は、立場や今までに出会ったものによっても変わると思うので、一概にどうとはいえないんだけど。
今の、小中学生のネットでのすごし方は、一時話題になった「うちらの世界」に近いと思う。
小中学生のネットの行動を垣間見た場合に、それは小中学生の世界だけのことなので、俺らの世界とは関係ないと思うのか、どうにかできないだろうか?と思うのか。
勿論、そこに我が子が居たとしたら、やっぱりどうにかしたいと思うほうが多いのかな。
もっとも、そこに居ようが、自分から抜け出すべき抜け出す手助けをするべきという考え方もあるし、そこにいるからといってみんなが「どうにかしなくちゃ」と思うものでもないんだろうけど。
「おかーちゃんの勝手にネットパトロール」ではどういうことをしているのか
それ以上に観測しているとは書かれていない。
子供から隠れて勝手に監視しているのではなく、チェックするよって宣言をしていると書かれている。
それがあるから、抑止力になっているのかもしれない。
一度くらい炎上させたほうが学習できるよねという話もわからんではないけれど、友達から延焼するのもしかたがないよね、延焼だって学習じゃんと言える人は寛大なんだなぁと思うのです。
自分ひとりで炎上を完結できるのならいいけれど、つながってる友達まで延焼させて良いのかということとか。
友達を延焼させるのも学習なのか。
用語としてツイキャスやVineが出てくるけれども、それはTwitterがハブとなってツイキャスやVineが話題として出てくるからであって、ツイキャスの中継探してやろう。とか、Vineチェックしてやろう。と、メインをそちらにおいているわけではないので、あくまでそれらの観測は副産物に過ぎない。
ぶこめを見てると「何から何まで検閲するより何をしてはいけないかを叩き込んだ方が絶対将来の役に立つと思うけど」ということも書かれていたけど、何をしてはいけないかを伝えるのは前提条件で、「うちの子には言い聞かせてるから大丈夫!うちの子悪い子じゃないから」って言ったら終わりになるのとどっちがいいんだろうね。
どうして子供の友達も観測するのか
そもそも、この質問が私からすると結構疑問な部分でもある。
少し昔を振り返ってみて、登校班を見守る「みどりのおばさん」という存在は、わが子だけに注意を払っていただろうか?
信号無視をしようとすれば止めるし、見知った子には「みどりのおばさん」として横断歩道に立っていない時にも「それあかんでー」という声かけをおこなわなかっただろうか。
今の時代でも、PTAでおはよう運動や信号見守り隊、放課後パトロール隊という取り組みを行っているけど、そこで見知った子たちには「おかえりー」「きーつけていきやー」と声をかけている。
地域の見守りという感覚と、ネット上での「おかーちゃんの勝手にネットパトロール」とどう違うんだろう。
「みどりのおばさん」はきもい存在だったんだろうか?
お祭りの名前で検索すること。
町内の範囲を見定めるのと何が違うんだろう?
え?リストを非公開にしているのかストーカーっぽい?
それは違うんじゃないかな。
はてぶコメントでも書かれてたけど、悪用されない最大限の配慮だと思うんだよね。
実際にやってみたらわかると思うんだけど、子供たち、コロコロアカウント変更するよ。
サブアカウントや共有アカウントとか、もうおかーちゃんたちにはわかんないくらいにアカウント使い分けて渡り歩いてるよ。
過去のアカウントに投稿されたものをほぼ残したままで。
見守り続けようと思うと、新しいアカウントも見つけないといけなくなるよ。
そう、スライドの最後にあるように「超めんどくさいよ!」なんです。
「ストーカーっぽくてきもい」という人に教えて欲しい
書き込みに対するネットパトロールは誰がやれば良いですか?
誰ならOKなんだろう、そして、その予算はどこから捻出されるんだろう。
学校がやるべきとしたら、先生の時間はどう扱われるんだろう。勿論、予算は必要ですよね。
正直、知り合いの先生方見ていると、今の学校・授業運営に必要な時間以上に時間をどのように確保することができるんだろうと思うので、業務時間という観点から今のままでは無理だと思わざるを得ません。
そもそも、書き込みに対するネットパトロールは不要という考え方もありますね。
勿論、ネットパトロールをするなら対象年齢は考える必要があるとは思ってますよ。
まぁ、ネットパトロールじゃないけど、就職活動するときに人事部で就活生のSNSをチェックするのはある話なので、きもいと思う人は就活生のSNSチェックも「きもい」と感じるのかな。
一人でも救えれば良いじゃない
何もしないよりは。
と、おかーちゃん的には思うんです。
ストーカーっぽい、上等。
情報を生かして子供たちのこれからを守るために使うのか、悪用するのか?だとしたら、「おかーちゃんの勝手にネットパトロール」は情報を悪用しているんだとは思わない。
ネット上での会話は見られてるんだよ。
いちいち、Twitterの内容チェックするのって、手紙読むようなものだよねとか、親に言えない相談をネットでする権利があるという意見もあるけど。
Twitterでのやりとりは、封書ではなく、ともすれば封筒にすら入らず、はがきと同様...というよりはあて先を書いた駅の掲示板だということを忘れてはいけないと思う。
見られたくないなら、機能使いこなそうよ、DMとかツールを選択するとか。
もし、駅の掲示板に助けないといけないようなことが書いてあったら、助けようと思うよね?
xyzって書かれていたら別だけど。
最後にもうひとつ
どうせなら、「きもい」と思う感覚を磨いて、よい振る舞いをしてもらえればなと思うのです。
そうして、「きもい」と思う人には、じゃぁ、どうしてほしいのか?どうしたらよりよい・好ましい環境なのかを声を大にして言って欲しいと思う。
残念ながら、ぶこめの文字数だと、きっと伝えたいことはあってもうまく伝わらなさそう。
匿名ダイアリーでもいいし、どこかに書いてもらえれば、よりよいバランスをみんなが模索できるんじゃないだろうか。
情報は発信することに意義があると常々書いているのだけれど、「うちの場合はこうだよ」ということをなかなか知ることができないので、もっと自由だ!いや、もう少し厳しい!という意見も、もう少し出ればいいと思う。
全員が全員同じ感覚のほうが「気持ち悪い」ことだと思うので。
「きもい」というのは誰にでも言えるので、その理由を伝えることが意思の疎通のスタートなのではないでしょうか。