小学校登下校時の横断歩道の見守りに見る意見の違いについて

先日、小学校登下校時の横断歩道の見守りについて話し合う機会があると連絡をいただいたので、委任状を出さず実際に参加してみた。

ことの経緯

なぜ、見守りについて改めて話すことになったのか。

現在、我が家が居住する地域は、登下校の横断歩道の見守りを保護者が行っている。
世帯数が多かった時は、年間の見守り回数も1世帯当たりそこまで負担にならなかったものの、世帯数の減少とともに見守りの回数が増加した。
幼稚園や保育園に通っていない未就学児が居る場合は、子連れで横断歩道の見守りをすることとなりかえって我が子を危険に巻き込みかねない場合もあるし、働いている保護者からすれば半休を取得したりフレックスを活用したり、そもそもそういった制度がないために休まざるを得なくなっている場合もある。

さて、改めて先に「現在、」と書いたことも触れておきたい。
そもそも、既に高校生なってしまった長男が小学校在学時には、登下校の横断歩道の見守りを保護者が行っていなかった。

市の予算で専従員のいわゆる緑のおばさん・おじさん的な方が登校時に横断歩道に立っていた。
一部箇所だけ。
そう、一部箇所。

市の予算削減で、一部箇所の専従員が提供されなくなり、その地域の保護者の方々が横断歩道に立つようになった。
そうすると、同じ学区でも横断歩道に立つ保護者がいる地区と、立たない地区があるのは不公平だという話になったらしく、従来、横断歩道の見守りが行われていなかった場所にも保護者が立つようになって今に至っている。

そもそも、その場所の横断歩道に見守りは必要なのか?

「立たない地区があるのは不公平」という話そのものが、始まりとしておかしいだろうという気がするが、今更いっても始まってしまったものは仕方がないので、必要かどうかを考えることが大切なのではないだろうか。

横断歩道に保護者が立つ目的

保護者によっては見守りが必要・不要だと思う理由は様々だ。

  • 必要だと思う派
    • 我が子が低学年なので不安だから見守りたいし見守ってほしい
    • 我が子が中学年になってきて、少し調子に乗っているので見守りは必要
    • 我が子が高学年なので、信号、点滅ぐらいならダッシュしてしまうので見守りは必要
    • 漠然と不安なので
    • 必要か必要じゃないかと言われたら必要だと思うけど、仕事があるので誰かに頼みたい(金銭的解決も容認)
    • 保護者が見守ってこそなので、お金で解決しようというのが理解できない
  • 不要だと思う派
    • 我が子は学童保育に行っているので、ぶっちゃけ見守り不要
    • 我が子はほっておいても、交通ルールをきっちり守るので見守りは不要
    • 仕事しているので必要かもしれないのはわかるけど、仕事を休んだりしてまでの見守りは不要

また、保護者が立たなくてもいいのでは?という保護者でも必要だという意見を出す保護者もいる。
例えば、地域のシルバー人材センターに依頼してお金を払うという意見。
残念ながらシルバー人材センターが仕事として受けるための条件は、横断歩道の見守りには適さなかったりするのだが。
シルバー人材センターが引き受ける条件については後述する。

もちろん、横断歩道に立つことで、子供たちの登下校の様子を見ることもできるし、一緒に立つ保護者の方とのちょっとした井戸端会議時間にもなるのでそれも良い時間なんですけどね。

シルバー人材センターに依頼するには?

シルバー人材センターの費用は地域ごとに異なるが、おおよそ受けるための条件は以下の通り。

  • 1つの仕事は2人で受ける(2人分の予算が必要)
  • 1回の仕事は1時間ごとで依頼(見守りの場合、朝・夕ともに30分程度なので抱き合わせで依頼している地域もある)
  • 1時間単価900円〜1000円/人
  • その仕事を引き受けてもよいという人がいない限り人は派遣されないし、常に依頼できるわけではない

1か月で20日の見守りを依頼する場合、抱き合わせで依頼できたとして、1000円/日×2人×20日=4万円
世帯数が20人だったとして毎月2000円を保護者が負担するということになる。
全校生徒が通る横断歩道なら学校でPTA会費として徴収し依頼を行うこともできるだろうが、全校生徒が通るわけでもない場所なら、そこを通る児童の保護者世帯が負担することになるとすればその程度だろう。

2000円を安いか、高いか?で考えると家庭次第になるので、結局、どうするかは決まらないままだ。

実は定期的に出ていた見守りに対する意見

小学校や中学校のPTAや地区委員を経験している人ならわかるだろうが、こういった役員の任期は1年限りで1度経験すると2度目は不要という会則を設けているところが多い。
実際、数年おきにこういった意見は出ていたそうだが、役員が引き継がれる際に経緯などは引き継がれず、かいつまんだ現行状況のみが引き継がれる。
また、大きな改変を行うと、数年後に名指しで改変が問題だったと指摘される場合もあり、大きな改変を良しとしないような空気があるところも多い。

こういった意見のやり取りは、地域地域によって行われているとは思うが、どのように議決したか、また、どういった意見があったのか?などを他の地域と共有することもあまりないために、良案がどこか別の地域で実施されていたとしても、それを知るすべがない場合も多いのではないかと思っている。

横断歩道の話に立ち返ってみる

一度、見守りを始めると、やめるということに不安を感じる人が多いのも分かる。
しかし、必要・不要に関わらず、交通法規について子供に教える役目があるのは保護者であり学校でもある。
子供には判断できないと言い切って子供に伝え続けることをやめてしまうのではなく、まずは、子供の交通法規に対する理解の向上を目指すことを初めて見るのはいかがだろうか?

学校でもっと交通ルールについいて教えてほしいという意見も、実際に、この会合で何度か耳にしたが、そもそも、保護者も交通ルールを子供に守らせる努力をしようぜというほうが前向きで建設的な気がしたよ。

さて、もっといい案とか、ネットを徘徊して探してくるか。
いや、もちろん、ご近所との話し合いとかもするんだけどね。

*1:PTA関連が多く書かれている